2015年12月09日

NY6日目:メトロポリタン美術館 エジプト美術

2015年10月7日(水) メトロポリタン美術館 エジプト美術

メトロポリタン美術館は巨大です。


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遠くからでも一発で分かる大きな建物。

館内案内図を見ても迷路のようです。ちなみに、館内案内図はこちら(英語)。

私達はまず、1階の正面玄関を入って右にあるエジプト美術から見学しました。

しかし、全部見ていたら多すぎるので、先ほど買ったばかりの
メトロポリタン美術館ガイド 日本語版」に掲載されているものと、

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のような音声ガイドのマークのある所を見て回りました。

しかしすごい。のっけからすごい。

いきなり古代エジプトの墳墓まるまる展示されていました。


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これがその内部です。ガラス張りで、そのガラスの上に説明が載っています。
101番の部屋で、ガイドブックによるとぺルネブの墓(Tomb of Perneb)だそうな。

ぺルネブというのは国王に仕える宮廷の役人の名前で、
この墳墓は古代エジプトのサッカラにあるジェセル王の階段ピラミッドの北側にあったのだそうな。

むむー。エジプト旅行を治安の悪化やその他の事情で2回キャンセルしたサラミ家にとって、
階段ピラミッドはぜひともこの目で見てみたかった遺跡。ここでそのご近所さんでも出会えて感動。

ちなみに、ぺルネブのお墓はマスタバと呼ばれる墳墓でピラミッドではありません。


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ちゃちゃっと見ていこうと思っていたのに、一発目から見入ってしまいました。

しかし多い。展示品も多いし見学者も多い。そして、実は音声ガイドのマークも多い。


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音声ガイドのマークに注目して見学すると、こんなヤツ(失礼!)まで見ることに。
Young Lion」とありました。紀元前3300~3000年だそうな。


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もうすでに諦めモード。膨大なコレクションです。


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こちらは「歩く男性像」。ガイドブックのエジプト美術の中で真っ先に紹介されていたのに人気なし。
何でも、上半身の逞しさから「重量級の運動選手」だと分かるのだとか。

こんな古代でも運動選手っていたんですね。古代ローマにもいたんだし、当然といえば当然か。


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ほのぼのとした2人の像も。
The Royal Acquaintances Memi and Sabu」とありました。

何となく、メミサブという名前を見て男性の方がサブだと思い込んでしまう日本人サラミ。
しかし、サブちゃんアカンやろ。左手をなんちゅー位置に置いてんのアンタは!


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こちらはメケトレの墓から出土した船の模型。お墓から出土ってことなので埋葬品でしょうな。
場所は「テーベ、アサシフ南部」とあります。

メケトレってのは、エジプト第12王朝の初代王アメンエムハト1世に仕える高官の名前だとか。
それにしても、とてもリアルな出来具合です。


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他にも、こんな牛小屋の模型もあります。細部に渡って手を抜かないこの作り!
何だかシルバニア・ファミリーの域に達しているようにも見えて興味深いです。


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それにしても、エジプトが全然終わりません。この先にもまだまだある~!


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アメンホテプ3世のスフィンクス」。小さいです。青い陶器の色が鮮やかでレプリカみたい!
ちなみに、アメンホテプ3世ルクソール神殿を建てたファラオだそうな。


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こちらは口の部分しかなくて逆に目を引いた「女王頭像断片」。

ガイドブックにはアクエンアテンの治世とありますが、これが誰なのかはいまだ謎だそうな。
碧玉というとても固い石で出来ていて、職人さんが磨いてここまで光沢を出しているとか。

とても厚い唇はとてもリアル。唇しかないって逆に官能的なんだなーと妙に感心しました。


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カノプス壺」。なんと王家の谷の墓から発掘されたものだそうな。

壺の表面に名前があったようですが削り取られており、解読した結果、
アクエンアテン(=アメンホテプ4世)の妻キヤのものだと判明しているとか。

カノプス壺というのはミイラの内臓を入れる壺だそうで、内臓も防腐処理をしていたことを
今回初めて知りました。そりゃ、そのまま入れたら最終的には腐敗して消滅しそうだもんね。


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猛々しいこちらのレリーフのタイトルは「異国人」。
「右の2人はヌビア人で左の2人はリビア人だと思われる」とガイドブックにはあります。

アメンホテプ4世の時代は、外国人がエジプトで兵として働いていたのだそうな。
現地の説明をちゃんと読んでいないので、どうやって人種を見分けてるのかが気になります。
髪の縮れ具合でしょうかね。


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まだまだあります。英語では「Chalic」とありますが、「」です。儀式用だそうな。

ファラオの誕生とかナイル川の氾濫などの図柄だそうですが、
紀元前の大昔にここまでの美しい浮彫りができるなんて信じられないですね。

しかも、このファイアンスという陶器の青い色が本当にキレイです。


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しかし感動も束の間。棺桶だらけのエリアに差し掛かってあまりの数にクラッとしました。(笑)
棺桶だけでどんだけあるねん!どんだけニューヨークに持って来たんやー!


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ガイドブックに大きく紹介されていた「ヘネトタウィの棺」。色鮮やかです。
今ググってみると、「アメン・ラー神の歌い手ヘネトタウィの人型内棺」でヒットしました。

棺の脇にあった説明には、

ヘネトタウィはアメン・ラー神の儀式で歌い手を務めていたが21歳で亡くなった。

と書かれていました。

歌い手といっても英語の解説では「Chantress」とあり「Singer」ではないので、
歌というより詠唱とか呪文でしょうな。

棺にはエジプトの守護神が描かれていますが、足元だけ絵が上下逆さまです。
これは、ヘネトタゥイの頭部のマスクから見られるように、ということだそうな。なるほど。


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見たら本当に小さかった「アムン神の小像」。しかし純金です。1キロ近くあるらしい。
アムン神=アメン神だったよな?とあいまいな知識しかありません。

これも儀式用だとかで、後ろに輪っかが付いているのだとか。
1キロだと吊り下げるにしても重いよなぁ。1キロ近い純金てお値段は一体・・・。(←俗物)

ちなみに、鎌状の剣を持つアムン神は「戦いの勝利を保証する守護神」なのだとか。


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これもガイドブックに紹介されていました。「神聖なるステラ(Magical Stela)」。
ステラというのは石碑のようです。

これはネクタネボ2世の時代ということで紀元前4世紀のものなので、ここでは新しめでしょう。
ちなみにこのネクタネボ2世というのは最後のエジプト人ファラオなんだそうな。

真ん中はホルス神がワニやサソリなどを退治する様子です。

ホルスって頭が(正しくは隼)なんじゃなかったっけ?と思いましたが、
時代が経つにつれ人間の姿になったらしいです。

私の写真がブレているので分かりにくいですが、ものすごく精緻な彫刻です。
思わず拓本を取りたくなりますな。

最後の最後にいきなり明るくて広いエリアに出ました。
案内図にはサックラー・ウィングとありました。


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一番の見所「デンドゥール神殿」。一体どうやって運んで来たんや~!と驚いてしまう規模です。

この神殿はアメリカヌビア遺跡の保護を支援したお礼としてエジプトから寄贈されたのだとか。

アスワン・ハイ・ダムの建設に伴ってヌビアの遺跡群を移築したのは有名な話ですね。
しかし神殿1個プレゼントって太っ腹やなー。

ここは明るいし広いだけあって混み合っていないので、一休みするのにも良いのでは。


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この神殿は紀元前15年頃のローマ時代のものだそうで、
建てたのは初代ローマ皇帝アウグストゥスです。

しかし、頭では分かっていても、エジプトのローマ属領時代がピンと来ません。
それ位古代エジプト文明の印象が強烈なんですな。

でもまあ、これがローマ神殿だと最初に言われればそうかとも思いますが。


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壁画を見ても、ローマの神殿とは思えません。ま、場所がエジプトですからね。


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神殿のそばに、「ハトシェプスト女王のスフィンクス」が置かれていました。大きい像です。
この女王も有名ですね。

ガイドブックによると、女王の死後、トトメス3世の指示で他の女王の彫像と共に破壊されて
採石場に捨てられていたものを、1920年代メトロポリタン美術館の発掘チーム
発見・復元したのだとか。

これを読むと「あーそうですか」で終わりそうですが、当時は各国が争って発掘を行っていた時代。
発掘品の50%をエジプト側に渡せば、なんと残りは持ち出して良かったんだそうな。

盗掘じゃないのかと思ってしまいますが、エジプト政府がそれでOKを出していたので、
ちゃんとした品と言えばそうなのです。エジプト政府はアホではないか。国の宝を。

しかし、エジプトの治安が悪化してしまった今となると、ここニューヨークにあるからこそ
キチンと保存され、状態良く展示されているという面もあり、ちょっと気持ちは複雑です。

いや、ちゃんと鑑賞できれば所有者が誰でもいいのですよ、見物人としては。

さて、エジプト美術コレクションをこれでも流し見してヘトヘトになりましたが、
肝心のウイリアム君はいませんでした。


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ウイリアム君というのはこのカバです。美術館のマスコットキャラなのです。

こいつの実物が、エジプト美術エリアのどこかに展示されていたはずなのですが、
展示品が死ぬほど多かったので、探しながら見学しましたが見つけられませんでした。

しかし、係員に聞くほどでもなかったので、あっさりと諦めました。
こだわっていたら時間のロスになるし。

そして、ガイドブックや音声マークにこだわる事もないと思います。

さらに言うと、ヨーロッパ美術に絞って時間を割きたい人は、エジプト美術は
棺桶の部屋とデンドゥール神殿あたりを見てとっとと次に行くべきです。

素晴らしいコレクションと展示方法でしたが、ものすごく時間を食ってしまいました。反省。







posted by サラミ at 22:30| Comment(0) | TrackBack(0) | 15ニューヨーク | 更新情報をチェックする
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