2014年03月20日

ウィーン2日目 オペラ:ルサルカ

2014年1月26日(日) オペラ:ルサルカ (ウィーン・ドイツ旅行2日目)

ウィーン国立歌劇場で2回目のオペラ鑑賞です。この日の演目はドヴォルザークの「ルサルカ」。

この「ルサルカ」は、今回最もチケットが取りにくい公演でした。
なんでかな~と思っていたら、まず新プロダクションの初日だったというのが歌劇場のサイトで判明。

しかしそれだけではなく、ここ数年ウィーン国立歌劇場では「ルサルカ」は上演されていなかった
そうで、久し振りだし新プロダクションだし見たいわ~、という人が多かったのかも知れません。



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この日のプライスカテゴリーは一番値段が高いでした。
取れた座席はというと、2.RANG LOGE(=3階ボックス席) RECHTS(=右) の
LOGE2(ボックス席2)、Reihe 2(=2列目) Platz 4,5(=座席4番と5番)でした。
マークした所)

上の画像だと見にくいですが、座席表に斜めに線が入っている席で、
舞台があまり見えない或いは全く見えないです。

とにかくチケット発売初日なのにほとんど売り切れで、余っていた座席が
平土間の250ユーロとかしかありませんでした。買えるわけがない・・・。(涙)


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というわけで、視界が遮られる舞台に近いボックス席です。4と5が私達の席。


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一番前の席から下を覗くとオーケストラピットがこのような感じで見えます。
昨日は舞台の左の席だったので、全くの反対側。


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今日は打楽器が見えない代わりにハープが見えます。
このオペラはハープの音が印象的なので楽しみ。

しかし、いざ本番が始まると、いやー、本当に見えづらかった。(涙)
前にも座ったことのある場所だったので覚悟はしていましたが、それにしても・・・。

どのくらい見えないかというと、

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最後のアンコールですが、こんな感じで。

立ち上がっても無駄な時はもう諦めて座って聞いていました。(^^;
ちなみに、ではの方がまだマシです。

さて、この日のキャストは、

指揮 : Jiří Bělohlávek
ルサルカ : Krassimira Stoyanova
王子 : Michael Schade
ヴォドニク(水の精の男) : Günther Groissböck
外国の王女 : Monika Bohinec
イェジババ(魔女) : Janina Baechle

指揮のイルジー・ビエロフラーヴェクはさすがのチェコ出身。(ルサルカはチェコのオペラ)

舞台は幻想的ながらモダンで、演出も斬新でした。
人魚姫の話がベースになっているストーリーならではの舞台でした。


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国立歌劇場のサイトより画像を拝借。

舞台はこのように分割になっている時が多く、視界が遮られる席からの鑑賞は残念でした。(涙)
主役のルサルカは水の精ですが、湖の中というより寒い雪の中の景色が多かったです。


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3人の森の精ヴォドニク。金髪と銀髪の超ロン毛です。(これも画像お借りしました。)

衣装もステキで、振付がまた斬新!

森の精はよくこの写真のような手の動きをつけて歌っていましたが、ものすごく新鮮でした。
この3人がとても良くて、もっと主要な役でも問題なくいけると思いました。

私が特に気に入ったのはヴォドニク役のこの真ん中のバリトンの人です。
歌もさることながら、面長のせいか、この長髪ストレートがよくお似合い。

この役はもっと年配のイメージでしたが、この人の若い感じでも違和感ありませんでした。
声も若かったけど、これがウィーンデビューだったみたいだし、なかなか良かったのでは。

私は演出もとても気に入りました。
ただ、キワドい演出だったので、生理的にダメだった人もいるかも知れません。

どのようにキワドかったかというと、上の写真、森の精の手がに染まってます。
なぜなら、凄惨な殺人の後、宴がくり広げられたから。


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これは購入したパンフレットに載っていた画像ですが、赤くで染まっているのは
魔女イェジババに惨殺された皿洗いの少年のエプロンです。

少年は、森の精たちが宴で美味しく頂いたという演出でした。

本来は、魔女が「お前を食っちまうぞ」と脅しただけのはずですが、
今回は本当に殺されてしまったのでビックリしました。

魔女のナイフによる殺人シーンも生々しく、少年を食べる宴のシーンもゾクゾクきます。
こういうのが苦手な人はギャー!と思うかも知れません。

が、私は殺しの美学のようなものを感じてしまい、何とも見入ってしまいました。
手にベッタリついたを舐めながら歌う森の精のなんとも気持ち悪くて美しいこと!

歌舞伎の夏祭浪花鑑の殺しの場面みたいな感じでしょうか。

他にも第2幕のバレエのシーンは新婚初夜のベッドシーンのようでしたが、
ダンサーの女性が男性に一枚一枚服を脱がされて最後にベッドインという内容。

それを見ているルサルカと対比させることによって、ルサルカの純潔さが際立ちました。

主役のルサルカを歌ったクラッシミラ・ストヤノヴァはウィーンでは主役の常連だそうで、
ブルガリア出身の歌手らしく、ロシアや東欧のオペラは得意の様子。

さすがの貫録で、声も張りがあるし息切れもしないし、アリア「月に寄せる歌」も見事でした。
一番の印象は最後のカーテンコールの時の堂々とした女王様のような佇まい。

ただ若いだけの歌手とはワケが違う、という自信の表れだったと思います。

そして、一番ジーンときたラストのシーン。

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これも画像拝借。ルサルカを裏切った王子が森にやってきて、詫びて口づけを求めるラスト。
口づけすれば王子は死に、亡霊になったルサルカも救われないまま。

切々と歌いながらルサルカは黒い布をグルグルと王子に巻いていきます。
そして最後に口づけをし、王子は死んでゆく・・・。

王子に裏切られても忘れられず、思えば思うほど王子を幸せにできず、
それでも思いを断ち切れず、水の精に戻ることもできず、死ぬこともできず・・・。


19.jpg

最後、王子は黒い布をに巻かれて動かなくなります。
これがパンフレットの表紙になっているという、象徴的なシーンです。

ルサルカの心情とか、色んなことがこの黒い布で描写された何とも言えないラストでした。

前の席に座っていた年配の女性は、最後のこのシーンで涙をぬぐっていました。
そういう私もルサルカが可哀想で、ここでは胸を打たれました。

一方、サラミ夫は特に感慨はなかったようで、やはり女性にしか理解できなかったような。(^^;

ちなみに、王子役のテノールは役によく合っていたと思いますが、私の個人的好みで、
モーツァルト歌いみたいな声の細いテノール全般が好きではないので、この人もスルー。すまぬ。


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そして最後のカーテンコール。真紅のドレスは外国の王女。この人も役にピッタリでした。


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そして何度もカーテンコールに応えてくれるのですね。さすが初日は回数も多かったです。
胸毛が毛むくじゃらなお髭の男性は森番役の人。カラスみたいに黒い羽根の人は魔女です。


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そしてまた今日も、こんなに観客が少なくなっても延々とカーテンコールに出てきてくれました。
このウィーンの観客に優しい雰囲気がとても好きです。

ちなみに、最近ウィーンでは有料のライブ・ストリーミングを始めたらしく、
このプロダクションのルサルカも2014年2月9日の上演がネットで見られたらしいです。

そのアーカイブが国立歌劇場のサイトで紹介されていて、
そこに紹介用のダイジェスト版の動画があります。 


私はこのプロダクションのDVDが出たら欲しい!と本気で思っています。

余談ですが、この日購入したパンフレットはなかなか面白くて、昔の上演の時の写真もありました。

23.jpg

これは1988年の時の3人の森の精。一番右が当時ウィーンで活躍されていた佐々木典子さん。
まあ、普通ルサルカの衣装や演出といえば、妖精ものだし、こんな感じでしょう。


さて、このルサルカの予習ですが、これが一番苦労しました。

我が家にはルネ・フレミングが歌うCDがあったので、まずはこれを流して聞きました。




しかし、日本語字幕がなかったのでDVDも物色。

色々探しましたが、お手頃価格のDVDがその時に見つからず、
日本から取り寄せていると金額がエラいことになってしまうので、泣く泣く諦めました。


わざわざ買うなら、お値段的にこのヘンでしょうかね。




で、我が家はというと、無理やりですが、全幕You Tubeで見ました。
最初なので、プラハ国立歌劇場のオーソドックスな演出のものを選びました。
私が見たヤツは音が悪かった!やっぱりDVDの方がいいです。

ただ、字幕がイタリア語だったので、今回も「オペラ対訳プロジェクト」というサイトで
チェコ語日本語追いながらたまに画面のイタリア語もチラ見する、という忙しい形で見ました。

このチェコ語の発音が難解で、こんなに文字を追うのが難しい言語も少ないと思います。
何度もどこを歌っているのか分からなくなりました。

しかしそれでも何とか予習を乗り切れたのは、ひとえに

ドヴォルザークの音楽の美しさ、素晴らしさ✨

のおかげです。あんなブルドックみたいな顔からどうやってこんな美しい旋律が出来る??
ドヴォルザークを今更ながら見直しました。

こんなわけで、ルサルカは今回の旅で一番見ごたえのあるオペラとなりました。



posted by サラミ at 20:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 14ウィーン・ドイツ | 更新情報をチェックする
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