2015年12月16日

NY6日目:メトロポリタン美術館 19・20世紀初期絵画1

2015年10月7日(水) メトロポリタン美術館 19・20世紀初期ヨーロッパ絵画・彫刻1

もうすでにお腹いっぱいな感じですが、最後の力を振り絞って、
19世紀・20世紀初期ヨーロッパ絵画・彫刻のエリアにやってきました。


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まず、マネの「死せるキリストと天使たち」が目に入りました。

真正面から死んだキリストに見つめられる構図なのでギョッとします。
おそらく、見慣れた宗教画よりも生々しいのでギョッとしたのだと思います。

この絵を見て、マンテーニャの「死せるキリスト」という絵を思い出したのですが、
あれは完全に横たわっているのでこちらを向いていません。

この絵は、キリストの胸の傷の位置が左右逆であることや、聖なるキリストをリアルに
(つまり人間ぽく)描いたことなどからバッシングを受けまくったとか。

ボードレールから胸の傷が逆だと中傷されながらも、マネは最後まで修正しなかったらしい。
絵がすごかったら傷の位置なんて気にしないけど・・・と思うのは私が日本人だからでしょうね。


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ルノワールの「カツレ・メンデスの娘、ハグヘッテ、クラウディーヌ、ヘリョーネ」。
堂々とこんな感じで展示されていました。ガイドブックでよく紹介されている絵です。

しかし私はルノワールの絵がそれほど好きではない、というか苦手です。
そもそも、少女達の顔色が過ぎる。貧血やないかい!と突っ込みたくなります。

ついでに言うなら、現地で購入した「メトロポリタン美術館ガイド 日本語版」では、
この絵は紹介されていませんでした。

必見作品」というのは、一体どんな基準で紹介しているんでしょうかね。


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まだまだ続くルノワールの甘い作品群。
左の絵を見てもうビックリです。ルノワールは男を描いてもこうなるのか。


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同じくルノワールの「Reclining Nude」。
アングルの「グランド・オダリスク」という絵へのオマージュだとか。

ただし、高級娼婦の女性は少女になっているし、場所も屋外で怪しい雰囲気はありません。
ルノワールって後期になると裸婦の絵も結構あるのですね。しかし赤毛も好きですな。


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こちらはモネの「サンタドレスのテラス」。2つの旗と赤い色に目がいきました。
モネにしてはえらく輪郭がクッキリしてるなあ、と思いました。(感想が単純すぎる・・・。)

この絵はおそらくモネが所有していた北斎の版画から発想を得ただろうと
ガイドブックに書いてありました。

私はモネもあまり得意でなくて、他にも「睡蓮」とかいっぱいあったのですが、
ほとんどチラ見で終わった中、これだけは立ち止まって見ました。


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次はゴーギャンの「Still Life with Teapot and Fruit」。

ゴーギャンがこんな静物画も描いているとは知りませんでした。
説明によると、ゴーギャンが所有していたセザンヌの静物画を模写したとか。

ただし、リンゴの代わりにマンゴーを置き、タヒチ風の柄物のクロスを描いたのが
何ともゴーギャンらしい。


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同じくゴーギャンの「シエスタ(昼寝)」。ものすごく構図が面白いです。

昼寝とはいえ、何てことのない女性の井戸端会議的な風景だと思うのですが、
ゴーギャンはこの光景にえらく心惹かれたようですね。

手前の女性のスカートの色を変えたり、描いていた犬をカゴに置き換えたり、と
あちこち変えて随分と時間をかけて完成させた作品だそうな。


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これまたゴーギャン2人の女性」。


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ひたすらゴーギャンが続きます。「3人のタヒチの女性」。(タヒチ女という言い方は嫌いです。)

よっぽどヨーロッパ的でない色合いや日差しなどが好きだったのでしょうか。
色もグラデーションとかなくてハッキリしているし、独特です。

それにしても、ゴーギャン白人でない女性が好きだったのでしょうか。

彼の伝記を読むと、タヒチで13~14歳の少女を何人か妊娠させていて(妻となっていますが)、
ちょっとその感覚にはドン引きしてしまいますが、当時の価値観はそんなものだったのかも。


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ここで突然のマティス。「Odalisque with Gray Trousers」。
1927年の作品なので結構最近です。

題名にある「オダリスク」とは、オスマン帝国(トルコ)のハーレムに仕える女奴隷だとか。
マティスは作り物でないヌードを描きたくてわざわざオダリスクを描いたのだそうな。


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ゴッホの部屋に来ました。


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筆遣いがいかにもゴッホ。

素人の考えですが、ゴッホって絵の具の減りも早かったでしょうね。
確か、弟の援助で高価な絵の具を使っていたと思いますが。


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こちらはゴッホの「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」。

先ほどロバート・リーマン・コレクションのところで見たゴッホの赤ちゃんの絵は、
この女性の子供です。あの絵の中では女性の顔は省略されていましたが、これは主役。

赤と緑の平面的な色のキレイなことと、後ろの壁紙(?)の花柄の斬新さが目を引きました。

同じタイトルの絵があと4枚あるとかで、ネットで見比べてみると、それぞれ同じ絵なのに、
後ろの壁紙の色や花が違っていて面白いです。

ゴッホは日本画が好きだったので、この絵も影響があるのでしょうね。

しかし、説明には、ゴッホはこの絵をアルルで例の耳を切り落とす事件の直前に描いたとあり、
この頃の彼はどういう精神状態だったのだろう、と思わずにはいられませんでした。


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同じくゴッホの「オリーブ摘み」。3人の女性がせっせとオリーブを摘んでいます。


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ゴッホの「糸杉のある麦畑」。

またしても渦巻くような空がすごい。実際にプロヴァンスに旅行に行ったら、
とても深く青い空の色でしたが、ゴッホはあの空をこういう風に表現したかったのですね。

糸杉の木の緑色も、実際の絵はとてもキレイな緑色でした。


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ゴッホの「オリーブの木」。ゴッホって点描もやっていたのですね。なんか点が大きくてカワイイ。


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ゴッホが終わって今度はロートレックの「The Streetwalker」という作品。

私は勝手に、これは軍服か制服を着ている少年かと思い込んでいました。
帽子が大昔のドイツ軍のヘルメットみたいだったので。(笑)

しかし、説明を読むと女性だとあります。改めて顔を見るとなるほどと思いましたが、
この帽子がウィッグだと書いてあったのには驚きました。これ、どんな頭だったのでしょう?

と、大好きなロートレックの絵なのにヘンなところにばかり気を取られてしまいました。


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ここでピカソが1点。「At the Lapin Agile」。

これは、モンマルトルのキャバレー、ラパン・アジルの装飾用に描かれたそうで、
ロートレックのポスターの要素を取り入れているらしいです。

女性の雰囲気とか、ロートレックっぽい。
というか、キャバレーなので扮装が同じという話ですが。

この男性の服の色といい、とてもキレイな配色で雰囲気もお洒落。
さすがパリを描くとこうなるのかー。

ちなみに、現地の英語の説明によると、この男性はピカソ自身を道化(アルルカン)
として描き、その横の女性は当時の恋人(というか愛人?)のジェルメーヌだとか。

しかしこのジェルメーヌという女性は、この絵を描く数年前にピカソの大親友を自殺
追いやった女性で、それがきっかけでピカソの暗ーい青の時代が始まったというのに、
そんな女性とそういう関係になるかー???

・・・いや、ピカソならあり得るか。なにかこの女性には魅力があったのでしょう。
ピカソの中で何か踏ん切りがついたのでしょう。青の時代も終わってるし。

ついでに、ラパン・アジル(Lapin Agile)というのは、パリのモンマルトルにある
シャンソン酒場で、当時ピカソユトリロなど若い画家が集まっていた場所なのだとか。

今もサクレ・クール寺院の裏で営業している有名店だそうな。
さらに、フランス映画「アメリ」にも出てくるそうな。

英語の説明ではこのお店はキャバレーになっていましたが、
キャバレーの定義がよく理解できていないのでその辺はスルー。(笑)

19世紀・20世紀初期ヨーロッパ絵画・彫刻のエリアはまだまだ続きます。(^^;



posted by サラミ at 22:56| Comment(0) | TrackBack(0) | 15ニューヨーク | 更新情報をチェックする
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