2014年9月29日(月) エクサン・プロヴァンス サン・ソヴール大聖堂
サン・ソヴール大聖堂(Cathédrale Saint-Sauveur)は、
エクサン・プロヴァンスの歴史ある大聖堂で、その美しい回廊が特に有名です。
回廊への入口は普段は鍵が閉まっていて、無料のガイドツアーに入らないと
中に入って見ることが出来ません。
この日の午後は、14:30からのツアーがあったので、それに参加しました。
ちなみに、大聖堂の中に入るとツアー案内の看板が立っています。
大聖堂のファサード。もう少し後ろに下がって撮ればよかったと後悔。
ガイドブックによると、ここは5世紀~17世紀の様々な建築様式が見られるそうですが、
正面はどこから見てもガッツリとゴシック様式です。正面扉は16世紀の作だそうな。
このシュールな彫刻がものすごく気に入って、思わずじーっと見上げてしまいました。
後で調べると、10人の預言者と、ミノムシみたいなのは20人の智天使(Cherub)だとか。
サラミ夫のビデオカメラによるズーム写真。アップにするとミノムシ度が増しますね。
よく見ると智天使の顔がコワイ・・・。
大聖堂の身廊もゴシック様式。
手元にある詳しい本によると、この教会の献堂は1103年で、当初はロマネスク様式
だったのが、後にゴシック様式に増改築されて、元々の身廊は側廊に転用されたのだとか。
なるほど。だから色んな様式が混在しているわけなのですね。
中では、左側にあるパイプオルガンの演奏中でした。おお~、生演奏!
現在のパイプオルガンは18世紀に設置されたもので、ここまで来るとバロック様式です。
後陣は、置いてあるものは結構新しいような気がしますが、あまり近づけないので詳細は分からず。
独特だなーと思ったのは、後陣の壁の模様です。プロヴァンスの柄のような感じ。
でも、草花の柄でくすんだ色合いのためか、オリエンタルな雰囲気もあり、何とも素敵でした。
この他、ガイドブックには5世紀の洗礼堂があると書いてあったのですが、
どこにも見つからず。扉があって閉まっていたのでしょうか。全然分からんかった・・・。
ガイドツアーの時間ちょっと前になったので、案内看板の前に行きました。
すると、私達の前にガイドのおじさんが現れて「フランス語だけだけどいいかい?」と
聞いてきたので、OKだと答えると、ごめんね、とおじさんは申し訳なさそうな笑顔でした。
このガイドさんは、茶目っ気のある可愛らしい方でした。
回廊は12世紀のロマネスク様式です。曇りでなければもっと光が入ったはず。残念。
午前中に見たシルヴァカーヌ修道院の回廊は、柱がどっしりとした1本でしたが、
ここのは細くて美しい2本で支えています。そのせいか優美な感じがしました。
ここは庭もよく手入れされており、お花も咲いていました。
ロマネスクの回廊の向こうにバロックの窓が見えて、重々しい感じはしません。
四方それぞれに特徴があるようで、こちら一面はギザギザの面白い装飾でした。
写真は、ガイドさんがツアー参加客に頼まれて写真を撮ってあげているところです。
12世紀の回廊というものの、見た感じはかなりちゃんと修復されているようで、
天井も美しく塗られていました。
ガイドさんは、フランス語の中に、時たま1文くらい英語をはさんでくれるような感じで、
説明はほとんど分からなかったのですが、どうやら四隅の柱の彫刻には特徴があるようでした。
こじんまりとした庭の花々。
このように懐中電灯を照らして熱心に説明してくれています。
四隅には福音書の著者のシンボルが彫られているそうな。
これは天使なのでマタイを表していると思われます。
これは聖書を持ったライオンなので、マルコではないかと想像。
この柱にはキリストが。
フランス語は分かりませんでしたが、回廊を見るだけでも十分堪能できました。
ガイドツアーは30分ちょっと位で終わり、再び大聖堂の中に戻りました。
最後に、ガイドブックや美術の本に載っていたニコラ・フロマン作の「燃ゆる茨」という
三連祭壇画が見たくて探して回りました。
と、こんな展示を発見。DVDの案内のフランス語も載っていました。
たまたまそこに、先ほどの回廊のガイドさんが通りがかったので、この絵はどこにあるのか
尋ねたところ、英語が得意ではないガイドさんは、「今は見られない。」とだけ教えてくれました。
言葉が通じないのでこれ以上は分からず、修復中か何かなのだろうと諦めました。
ま、回廊が見られただけでも良しとしましょう。
エクサン・プロヴァンスでの時間はあとわずかですが、次はセザンヌのアトリエへ。