2014年03月03日

オペラ:カヴァレリア・ルスティカーナ / 道化師

2014年1月25日(土) カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 
(ウィーン・ドイツ旅行1日目)

今回は、ウィーン国立歌劇場で3つオペラを見ました。

ウィーン初日のこの日は、カヴァレリア・ルスティカーナ/道化師 の2本立て。
一つの演目が短いので2つ上演するのが習わしです。

ホテルに到着してから、本当は少し出かけようかと思っていたのですが、
時差ボケ外の寒さには抗えず、開演までは部屋で休むことにしました。

今回は夜にオペラばっかり入っているし、どうせちゃんと夕食を摂る時間もないだろうと予想し、
初めてカップ麺とかレトルトお粥味噌汁など、食料を持参してきました。

歌劇場はホテルからすぐの場所なので、ゆっくり部屋で食べてから出発。
(そういう意味で、キッチン付きの広い部屋は助かりました。)


1.JPG

4年ぶりのウィーン国立歌劇場。懐かしい~!


余談ですが、

2.JPG

別の日の昼間に撮った写真ですが、カールスプラッツ駅の地下を歩いて
OPER」と書いているエスカレーターを上がると、この歌劇場のすぐ脇に出ます。

気温0℃でパンプスタイツで歩いても、ほんの少しの時間なので足の寒さは耐えられました。

さて、この日の座席は、BALKON(=4階) SEITE(=舞台脇) LINKS(=左) の
Reihe 1(=1列目) Platz 14,15(=座席14番と15番)でした。


seatplan_0125.jpg

黄色で囲ったところです。この日のプライスカテゴリーSで、44ユーロの席。
(公演によってプライスカテゴリーが変わり、同じ座席でも金額が変わります。)

バルコン(4階)は初めて座りましたが、そこまで上過ぎず、脇でも結構見やすかったです。


3.JPG

舞台の見え方はこんな感じ。歌手が左端に寄ると前のめりにならないと見えませんが、
前に人もいないし、全体的にはOKでした。あと、打楽器の人がよく見えます。(笑)

オーケストラの音が本当に目に見えるかのようにボワ~ンと上に上がってくるので、
1階にいるより多少上にいる方が音が良いかも。(さらに中央だともっと良いでしょうね。)


さて、まずは間奏曲が有名なマスカーニのカヴァレリア・ルスティカーナです。

ですが、私のイメージは映画「ゴッドファーザー Part 3」の劇中劇。
映画の中でこのオペラと主役のアル・パチーノの暗殺計画が同時進行で進んでいきます。





この日のキャストは、

指揮 : Paolo Carignani
Santuzza : Michaela Schuster
Turiddu : Fabio Armiliato
Lucia : Aura Twarowska
Alfio : George Gagnidze
Lola : Zoryana Kushpler

テノールのファビオ・アルミリアートはソプラノのダニエラ・デッシーの旦那さん
ということでしたが、私はあまりよく知りませんでした。(詳しくないもので。)


4.JPG

いきなり最後のカーテンコールの写真ですが、演出は定番で安心できるものでした。

それにしても、ウィーンのオーケストラの音は柔らかくていい響きだねぇ、と改めて感激。
(直近では上海グランドシアターでオペラを見たもんで、音響の差が歴然。)

歌の方はというと、サントゥッツア役のソプラノが何というかもう凄まじい
張り上げるところがドラマティックというか、やはり凄まじい。素晴らしいじゃなくて凄まじい

役柄が夫の浮気に嫉妬して問い詰めるというワイドショーみたいな感じなので、
女の情念を感じるというか、切実な感じというか。(褒めてます。)

アンタ、またあの女のとこ行ってたんやろ?!
町から出てたなんて嘘や!アンタのこと町の中で見たっていう人がいるんやで!

というような歌詞を、曲だけ聞いてたらこの醜悪さが想像もつかない美しい旋律に乗せて
切々と歌い上げるのですが、彼女はものすごくこの役に向いていると思いました。

一方の夫トゥリッドゥ役のファビオ・アルミリアートは、最初のアリアは良かったです。
しかし、前半は良かったのですが、何しろ相手が凄まじいので二重唱はかき消されるし、
途中から元気がなくなってきて、大丈夫かなーと固唾を飲んで見守っていたら・・・。

最後のアリア「母さん、この酒は強いね」のラストの一番の高音がかすれて出なかった。(涙)
ものすごーく、ギャグみたいに出なかった。ウィーンでそれってアリなのでしょうか?

しかし、体調の良し悪しもあるだろうし、一番ガックリきているのは本人でありましょう。
今一番「穴があったら入りたい」のは本人のはずだし、ここは彼を責めるまい・・・。

こりゃあ、カーテンコールの時にブーイングすごいんじゃないかと心配したら・・・

5.JPG

ウィーンのお客さんは優しかった~。さすがマナーを重んじる国の方々は暖かい拍手。
ミラノならワインボトルとか飛んでくると思うのですが。(←イメージは両国国技館の座布団)


6.jpg

一応ちゃんと拍手をもらい、ブーイングはなし。ウィーンは優しいなぁ。


7.jpg

凄まじかったサントゥッツァ役の人。ワーグナーとか歌うらしいので、なるほどね。

余談ですが、このオペラの最後はかなり長い間ティンパニーがドロドロと響き渡ります。

私の席からは打楽器がよく見えたので、それまでジーッと座っているだけだった人が、
最後にスクっと立ち上がり、ここ一番!とティンパニーを鳴らす姿がすごくカッコ良くて、
そんな所にも思わず注目してしまったラストでした。(最後ドラマティックだしね。)


そして、休憩を挟んで、レオンカヴァッロの道化師です。

こちらは男子フィギュアの高橋大輔選手がフリーで滑っていましたね。


8.JPG

道化師も先ほどと舞台演出の人が同じらしく、似たような感じの舞台セットでした。

指揮者も同じ人で、キャストは、

Canio (Pagliaccio) : Neil Shicoff
Nedda (Colombina) : Inva Mula
Tonio (Taddeo) : Ambrogio Maestri
Beppo (Arlecchino) : Carlos Osuna
Silvio : Tae-Joong Yang

さて、高橋大輔選手が演じていた悲劇の道化師役はニール・シコフ

かなりの有名ベテラン歌手にも関わらず、私はこの人を全然知らなくて、プロフィールの
1949年生まれというのを見て、こんな歳でちゃんと声出るのか?と全く期待していませんでした。

北島サブちゃんみたいになっているのではないか・・・

と覚悟していたのです。

一方、ネッダ役のインヴァ・ムーラはCDを持っていて(もらい物ですが・・・)
本物が聞けるのでちょっと楽しみにしていました。

さらに、トニオ役のアンブロージョ・マエストリもミラノで1回観て良かったので、
今回も期待できるのではないかとワクワク。

そして、そこはさすがのウィーン。大きく期待を裏切られました。


9.JPG

みんなで仲良く最後のカーテンコール。衣装がカワイイ。

巨漢のトニオ役の最初の口上が良くて、バリトン大好きな夫が大満足。
やっぱり声を響かせるには体格って大事なのかな。


10.JPG

すごく可愛いインヴァ・ムーラ。しかし、歌は意外に普通でした。演技は上手だったけど。
何しろ、さっきのカヴァレリアのソプラノが凄まじかったので、比べてしまうと線が細い。

声質は椿姫とかの方が向いてるんじゃないでしょうか。

ちなみに、彼女は映画「フィフス・エレメント」の異星人オペラ歌手ディーバの吹き替えで有名です。


11.jpg

そしてカーテンコールで控えめな笑顔だったニール・シコフ

全然期待していなかった私は、彼の最初の登場の時、正直、

現代劇の西村晃みたいなのが出たー!やっぱサブちゃんか?

と思ったのです。しかし、日々精進しているベテランさんはサブちゃんとはワケが違いました。
(大体オペラと演歌を一緒にしてはいけないのであります。)

年齢を感じさせない張りのある声で、アリア「衣装をつけろ」はもう素晴らしいの一言!
ミラノでロランド・ビリャソンの「人知れぬ涙」を聞いて以来、生のアリアで感動した~!

やっぱり場数踏んでる人は違います。盛り上げ方にベテランの表現力と存在感を感じます。
しかもむっちゃ高音出るやん!!とにかく巧い!!

それはそれはもう「ブラボー!」の嵐で、拍手がいつまでも鳴りやみませんでした。
ああ、ここまで聞きに来たかいがあったわ~。感動。

そして一方、「さっきのカヴァレリアのあの最後のアリアは何やったん?」ということに。
2つ一緒に上演でキャストが違うって、必ず比べてしまうから残酷だなーと思いました。


12.jpg

長々と90度のお辞儀をする丁寧なニール・シコフ。
その背中のデザインがすっごく可愛くて、こんな所でも手抜きなくてまたまた感動ー!


13.JPG

そして、何度も何度もカーテンコールを繰り返し、観客がこんなに少なくなっても、
拍手を送り続ける人がいる限り、出演者の方々はいつまでもこうして出てきてくれたのでした。

観客をとても大事にしてくれるウィーン国立歌劇場は、さすが一流だな、と思った瞬間でした。


ちなみに、今回の予習DVDは、ドミンゴ主演、ゼッフィレッリ監督のオペラ映画の輸入盤です。

日本語字幕はありませんが、私はDVDの英語字幕と、
オペラ対訳プロジェクト」というサイトの日本語訳を参考にしました。


Cavalleria Rusticana / Pagliacci [DVD] [Import]

このDVDのドミンゴも素晴らしく、道化師のアリア「衣装をつけろ」を
歌詞を見ながら聞いてたら、心の底からしみじみ可哀想になってしまいました。

映画なので最初に見る予習には分かりやすくてオススメです。



posted by サラミ at 10:16| Comment(0) | TrackBack(0) | 14ウィーン・ドイツ | 更新情報をチェックする
×

この広告は180日以上新しい記事の投稿がないブログに表示されております。