2013年02月23日

マケドニア2日目(コソボ) グラチャニツァ修道院

2012年10月2日(火) 世界遺産 グラチャニツァ修道院 (バルカン旅行4日目)

中に入ると、すぐに修道院付属の聖堂が見えました。物静かで、とても穏やかな空間です。


1.JPG

ここは修道院なので、この聖堂の後ろに見える回廊のようなものが僧坊ではないかと思います。
14~15世紀には修道士がたくさんいたそうですが、今はどうでしょうね。

ここが建てられたのは1310年
建てた人は、セルビア王国の王ステファン・ウロシュ2世ミルティンという人です。

ここはパレオロゴス朝ルネサンス様式の建築物だそうで、貴重です。
聖堂は3層になっていて、上に2層の十字型を乗せているので、かなり高さがあります。

パレオロゴス朝とは、東ローマ帝国(=ビザンツ帝国)最後の王朝。(1261~1453年)

ビザンチンのルネッサンス」って何じゃ?という感じなのですが、
どうも、オスマン・トルコに押されてボロボロになっていた末期の東ローマ帝国は、
帝国の栄光を古代ギリシャ文化に求めて、それをプライドの拠り所にしていったようなのです。

ウチらは素晴らしい古代ギリシャ文化の継承者なのよ、と。
世紀末ウィーンとか、国が倒れそうになると芸術が花開くのは同じ理由からでしょうか。

この修道院を建てたセルビア王のウロシュ2世は、東ローマ帝国と縁戚関係を結んだため
セルビア王国自体がかなりビザンチン化したらしく、よってこんなレベルの高いビザンチン様式
の修道院が出来たようです。


2.JPG

入口にサラミ夫が小さく写っていますが、それと比較すると、
この聖堂がいかに高さがあるかが分かります。とにかく天井が高い。

壁面はレンガと赤い石を交互に積んでいて、とても美しい作りでした。
外観は目立った襲撃の痕などはありませんでした。


3.JPG

中は撮影禁止ということだったので、外から必死で中を撮っていました。
(そういう問題ではない、というツッコミが来そうですが。)

思っていた以上にフレスコ画が鮮やかに残っていたのには感動しました。

手前はおそらくナルテクスと呼ばれる所で、窓が大きいので明るかったです。
その向こうの薄暗い部屋が身廊です。真正面にイコノスタシスが見えます。

ここでいきなり、フレスコ画が傷つけられているのに気づきました。

これは、どうしても証拠に写真に収めたい。しかし写真撮影は禁止。
左後ろには、黒い布をまとった管理人らしきお姉さんが座って本を読んでいる・・・。

ええい。一枚だけ。注意されたらやめよう。


4.JPG

中に入って右側の壁画です。顔の部分が削り取られています。
これを見て、なんだかズシーンと心が重くなりました。

ところが、サラミ夫は入口の撮影禁止の看板に気づいていなかったようで、さらには、
お姉さんが座っていることにも全く気付いておらず、ずーっとビデオを回し続けていたのです。

お姉さん、さっきの私のシャッター音だって聞こえたはず。
どうも、見逃してくれているらしい・・・。

ということで、私達以外には観光客も参拝者もいないということで、
お言葉に甘えて(何も言ってもらってないけど)、私も何枚か撮らせて頂くことに。

とはいえ、暗いので写真ブレブレ。(涙)


5.JPG

イコノスタシス。赤いカーテンの向こうは後陣で、祭壇があるはずです。
壁はすべて壁画でビッシリ。


6.JPG

イコノスタシスに向かって右の壁のフレスコ画。

フレスコ画ももちろんパレオロゴス朝ルネサンス様式です。確かに、顔がものすごく立体的
東方正教会の昔のイコンなんてベターっと平面的なのに、かなり新しい表現です。

実際、パレオロゴス朝ルネサンスというのはイタリアにも影響を与えたのだそうで、
14世紀というと、イタリア・ルネサンスの先駆けともなった画家のジョットの時代とかぶります。

イタリアのルネサンスの前に別のルネサンスがあったとは。美術に疎いので知りませんでした。


7.JPG

ブレブレですが、イコノスタシスの上の方を撮ってみました。フレスコ画は聖母子とかよくある題材。
イコノスタシスの上は開いているので、奥の後陣もフレスコ画でギッシリなのが分かります。


8.JPG

イコノスタシスの左側のイコン。


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イコノスタシスの王門とカーテン。


10.JPG

イコノスタシスの木彫りの部分には、赤と青で太陽と月のモチーフが。
裸電球が下がっているのがご愛嬌。


11.JPG

セルビア人の魂の拠り所なのだな、と思いました。


12.JPG

夫がビデオカメラのズームで撮った中央ドーム(真ん中の天井)のハリストス(キリスト)。
見上げた時に「おお!」となって背筋がシャンと伸びる感じです。

約10分間、多少傷んではいるものの見事なフレスコ画を堪能しました。

写真を撮らせてくれたお姉さん、ありがとう。(たまたま運が良かったな。)
でも、参拝者がいたら、厳かすぎてカメラは出せなかったと思います。

私は、この修道院をぜひとも紹介したかったので、あえて写真をブログに載せることにしました。


13.JPG

外にはお土産屋さんもありました。

タクシーの待機は15分の約束でしたが、サラミ夫は運転手のおじさんに気を遣っていたのか、
お土産屋さんには寄らず、あと5分を残してまっすぐ外に出ました。

外に出たら、ちょうどおじさんのタクシーが向こうから走ってきて私達の前で停まりました。
おじさんは待っている間グルグル走って時間を潰していたようです。

どうも、同じ所にずっと停まっていたくなかったみたい。
私達が乗り込むと、すぐに走り出しました。

・・・やっぱり、運転手のおじさんは来たくなかったのかも。


14.JPG

ブレてしまいましたが、帰りの車窓から見たセルビア国旗です。

運転手のおじさんはやっぱりピリピリしてたんだなー、と後になって思ったのでした。

それでは、プリシュティナの街へ。



posted by サラミ at 16:09| Comment(0) | TrackBack(0) | 12マケドニア・コソボ | 更新情報をチェックする
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